Magnuの新しいポーチ、「SECCHIO pouch」セッチオポーチ。
イタリア語でバケツの意味です。
昔からある日本の道具…その"形"が気になるようになりました。歳をとったせいなのかもしれません。
家族の先祖が眠るお墓が、自宅から100km程離れたところにあります。お寺の水汲み場に置いてある水桶…。それで水をお墓の場所まで運ぶのですが、やたらと"安定感"が良い!その事が、気になって仕方がなくなりました。
洋服に加え、本格的に鞄のデザインをするようになって、長い年月が経ちました。
物の構造を探る"妙な癖"が、また一種類、増えたように思います。
デザインに取り掛かる時は、出来るだけバッグの写真は見ないようにしています。持ったり、見たりした時の"感じ"を元に、絵を描いたり、図面をひいたりして、最後に紙で模型をを作ります。
今回は、あの"安定感"がテーマになりました。
木や竹でできた日本の桶や樽…。
そのフォルムのイメージを革(レザー)で表現するのですから、色んなアイデアを持ち込んで、試してみます。
本物の桶の様に直線的な形を作っても面白くない…。
かと言って、気をてらった形にもしたくない。
最初に描いた落書きの様なデザイン画…
模型を作っても、なかなかその雰囲気に近づけません。
絵の"感じ"をパターンに起こすのは大変です。
SECCIOポーチのパターンは、手を広げたモモンガの様な形の胴体、脇は、葉っぱを半分て切った上部分の様な膨らんだ三角形…をしています。
ウールのジャケットやコートを作る際、脇の下を綺麗に収める為のテクニックがあります。
”少し上の方が窄まったバケツの形"を創り出すのに、洋服の構造を使ってみました。
そして、フォルムを保つ為に、口をベルトで留めています。
ポケットは、内と外に一つずつ。背側の外側にファスナーの虫目を隠したポケットがついています。小銭や鍵を取り出しやすい深さにしています。
スマホを入れると頭が出て取り出しやすく、車の運転の際、助手席に置くと便利な設計です。
また、内側に隠れる様に巾着フタをつけています。中身を見せたくない時に使用します。
口もとにかけて少しカーブしたフォルム!
ニュアンスのあるバケツ型です。
日本の"桶"からイメージした"SECCIO pouch"セッチオポーチ
そう言えば、
年老いた両親がしんどくなって、山の方にあった家を旧市街に移しました。
その場所は"桶屋町"と言います。